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”春の味”をいつでも楽しみたい──鶴岡の「山菜工房」とは?

猛暑が連日続いていた2023年7月のある日。鶴岡市ふるさと納税スタッフは、春の味を求めて「やまぜん食品」さんを訪ねました。返礼品に山菜パックを出品しているやまぜん食品さんでは、春にしか採れない山菜を、年間を通して楽しめるように加工しています。山菜は待ちわびた春の訪れを告げてくれる、ほろ苦い「春の味覚」です。どうやって山菜パックを製造しているのか? その過程を、少し覗かせて頂きました。


鶴岡のやまぜん食品

やまぜん食品さんの「山菜工房」があるのは、田んぼに囲まれたのどかな場所。青々と育つ稲穂が風に揺れる風景に、自然と心が癒される気分です。

工房の目の前には、摩耶山系の眺望が広がる。
道行く人たちの目を惹くのは、この看板。
工房でも、かわいタヌキさんが出迎えてくれます。

──こんにちは、ふるさと納税担当です。本日はよろしくお願いします。

「こんにちは、よろしくお願いします」

出迎えてくれたのは、社長の渡部欣也さんと、息子である専務取締役の渡部正之さんです。社長の渡部さんは白いエプロン姿に、白い長靴と白い帽子をかぶっています。

欣也さん「いま作業の途中なんです。すぐ戻らなくっちゃ!」

社長である欣也さんは、従業員のみなさんと一緒に加工場で作業をしています。挨拶を交わすと、すぐに作業場に戻ってしまいました。忙しく移動されるため、カメラが追いきれず、写真がありません(笑)

──専務の正之さんは、どのような業務を担当しているのですか?

正之さん「自分も工房の中で作業をする事もあれば、外に配達に出たり、営業に行ったり、マルチに動いています。ずっと動きっぱなしですね」

──それも大変ですね。

正之さん「これまでは外出の時に着替えたりして大変だったんですが、最近、社内着を制作したんです。このおかげで、スムーズに移動することができるようになりました」

なんとここにもあのキャラクターが…。

──ワンポイントになっているキャラクターが可愛らしいです。

正之さん「そうですよね。では、工房の中へどうぞ」

清らかな水が育む山菜工房

正之さん「作業の性質上、工房の中はすこし蒸し暑いですよ」

──暑いと、作業にたずさわるみなさんも大変ですね。

正之さん「夏の間は、作業が終わるとみんな顔を真っ赤にして出てくるんです。大変な作業だと思いますが、みんな美味しい山菜を届けたくて頑張ってくれています」

──やまぜん食品さんはいつから山菜の加工を始めたんですか?

正之さん「加工製造を始めたのは今から46年です。山菜を取り扱う技術は新しいスタッフにも引き継がれていますし、ここで働いているのは、みんな”山菜のプロ”です」

──たしかに、手つきが素早く無駄がありません。

正之さん「原料や設備が良くても、それを扱って仕上げるのは「人」ですから」

──なるほど。床には水が流れているんですね。

正之さん「水は24時間流れています。実は床に傾斜がついているのが分りますか? 常にきれいな水が足元を流れていくんですよ」

さらさらと水が流れる工房の中。

──とても衛生的ですね。

山菜の加工には「原料の戻し」「選別」「製品の仕上げ」「袋詰め」の工程があり、全ての作業に、月山から流れてくる地下自然水を使用しています」

──地下水ですか!

透明度が高い地下水

正之さん「伏流水に限りなく近づけるため、高性能の浄活水システムを導入しました。この装置を通すことでミネラル・マイナスイオンを豊富に含んだ水となり、素材の美味しさを最大限活かすことができます」

──水に対するこだわりですね。あっ、これは山菜パックに入っている”なめこ”ですよね。

正之さん「水がきれいなので、なめこの様子がよく見えますね」

──えっ! 水の中にあるのが一瞬わかりませんでした…。すごい透明度です。

正之さん「水温は一定して12℃ほどなので、夏には冷たく、冬には少し温かいのが特徴です」

──地下水ならではの特徴ですね。

清らかな水の中で塩抜きされるワラビ。

信頼する山菜農家

──やまぜん食品さんの商品の原料は、ぜんまい・わらび・いたどり・赤こごみなど、国産の山菜ですね。どうやって集めているのでしょうか?

正之さん「鶴岡市の朝日地区や温海地区など、200軒以上の農家さんと契約しています。自生の山菜を採っているので、農薬などはもちろん使われていませんね」

──山菜を採ってくる農家さんたちがいるんですね。

正之さん「10年以上前から契約していますが、ご高齢の農家さんが多いので、年齢や体力的な事情で引退される方もいるんです。でも、農家さん同士のつながりで、新しく協力してくださる農家さんが増えたり、信頼を頂けるようになったのはありがたいことだと思います」

──食品に対する誠実な姿勢が伝わっているんですね。

事務所にかざられていた額。

正之さん「農家さんからは、約1か月かけて山菜を集荷します。実は採ったら終わり、ではなく、乾燥までこなしてくれています。これはうちのパンフレットなんですが、農家さんたちぜんまいを乾燥させている作業が載っています」

──ぜんまいがたくさん並んでいますね。

やまぜん食品さんのパンフレット

正之さん「乾燥の作業も大変で、この量をこまめに混ぜて均一に乾燥するようにしているんですよ。丁寧に作業したものと、そうでないものには、やはり違いが出ますね。経験がものを言う作業ですから、どの農家さんも頼りになります」

山菜パックの食べ方

──山菜と言えば、採れたてが美味しい!なんていうイメージもあると思いますが、保存して年中楽しめとは…。

正之さん「山菜はもともと、保存食としても親しまれていました。干した山菜を水で戻した時の香りも良いですし、繊維もなくて柔らかい食感になります。その分、調理もし易くなります」

──オススメの食べ方はありますか?

正之さん「山菜やキノコがミックスになった山菜パックは、量が多くて人気です。そばやうどんにかけるだけで山菜そばや山菜うどんになりますよ」

やまぜん食品さんの返礼品の一部。

──お手軽で良いですね!国産なのに具だくさんとは。やまぜん食品さん、ふとっぱらすぎます。

正之さん「万が一食べきれず残ってしまった場合は、ラップに薄く伸ばして冷凍保存するのも良いですね。でも、個人的にオススメなのはキムチ山菜チャーハンに変身させることです」

──チャハンに変身!?

正之さん「山菜パックで焚いた”山菜ごはん”を、お好みで卵やキムチと一緒に、少量の油と塩コショウでサッと炒めるだけでとてもおいしいですよ!」

──なるほど…。そんな調理法があったとは! 飯テロ!

やまぜん食品さんの返礼品【 オススメしたいポイント 】
 ・常温保存が可能
 ・ 味付け山菜はそばやうどんの上に乗せるだけ
 ・ 和え物やお浸し、炒め物やお味噌汁など…
 ・ 使いやすい小分けパックでひとり暮らしにもオススメ

タヌキの正体

──ところで…。このタヌキのキャラクター、かわいいですよね。

正之さん「ああ、これですか? 実はこれ、昔のわたしなんですよ」

──えっ? 昔の正之さんとは、どういうことですか?

正之さん「自分が2歳か3歳くらいのころをモデルにしてできたキャラクターなんです」

──まさか、そんな正体だったとは。タヌキさんに名前はあるんですか?

正之さん「キャラクターの名前はまだありません(笑)。ちなみに、タヌキではなくアライグマ です

── ・・・!! 失礼いたしました…。

正之さん「いえいえ、これからも山菜工房をよろしくお願いします」

やまぜん食品さんで働くみなさま。右端が専務の正之さん。
社長の欣也さんは、工房の中から音がしたので慌てて戻ってまい、写っていません(笑)

実際に作ってみました

右側の『筍のご飯の素』を使います。

今回は山菜セットのひとつ「炊き込みご飯の素」を使って実際に調理してみました。調理方法は、研いだお米に炊き込みご飯の素を入れるだけ!

ひとつのパックに対して、お米2合が目安。

(30分後…)

──なんだか良い香りがしてきたなぁ。

炊き上がるころにはご飯の良い香りが辺りを包みます。

──いざオープン! おお~!

炊飯器のふたを開けると、湯気と一緒に食欲をそそる香りがふわっと立ち上がります。

山椒の葉を添えて、本格的な炊き込みご飯の完成です!

──いただきま~す。

ひとくち口に入れると、優しい味わいがほわっと口の中に広がります。

──美味しい~!

こんにゃく、にんじんの旨味がお米に染み込んで、みず、ごぼう、筍のシャキシャキとした食感が良いアクセントになっています。

おこげも美味しく頂きました!

──春の味だなぁ。

夏も秋も冬も美味しく食べられる「春の味」!
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工房の窓から見える美しい田園風景。

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文・構成・写真=鶴岡市ふるさと納税担当・齊藤


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